パッチテストの真実
パッチテストについて(遅延型アレルギーの検査)

パッチテストは、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬剤アレルギーなどの疾患で、皮膚表面に原因と考えられる物質を貼付することにより、患者さんがその物質に対してアレルギー反応を起こすかどうか(アレルギー体質)を調べる方法です。一般にアレルギー反応は48時間後が最も強くなるため、検査物質を48時間(2日間)貼付することが必要です。従って、この間は貼付部位をお風呂に浸けることはできませんし、激しい運動などで絆創膏がはげたりすると判定ができなくなります。また、48時間後に検査物質を取り除い テた後も、反応がどのように変化していくかが判断の材料になるため、72時間後(貼付3日後)も観察が必要です。さらに、物質によっては遅れて反応を示すものもあり、貼付7日後の判定が必要な場合があります。面倒ですが、比較的安全で、確実な方法です。費用も安くすみます。

光パッチテスト

光を浴びる事によって生じる接触皮膚炎や薬疹の、原因を調べるために行ないます。パッチテストと同じように2日間背中に検査する物質を貼り付け、3日めと4日目に判定を行ないますが、検査する物質を二ヶ所に貼り、その片方にだけ3日目に光を当てます。
 

パッチテストで何が分かるか?

接触皮膚炎、いわゆる「かぶれ」の原因をつきとめることができます。うるしかぶれやイヤリングなどの金属アレルギーは接触した部位に強いかゆみと紅斑が出るので、かぶれた事にご本人もすぐに気がつきます。しかし、それほど強い症状が出ない場合には気づかずに接触しつづけていることがあります。化粧品や外用剤がその代表です。少しかゆかったり、顔が赤くなる程度で、なんとなく化粧品がどれもあわないと感じていらっしゃる事もあるようです。化粧品や外用剤にはさまざまな成分が含まれており、また同じ成分が多くの化粧品や塗り薬に共通して使われているため、原因物質を特定し完全に取り除かないと症状は改善しません。パッチテストで陰性だったからといってそれにかぶれていないとは言い切れませんが、「かぶれ」の原因をつきとめるには欠かせない検査です。自分の体を使う検査である事、手間と時間のかかる事が欠点ですが、他の検査では代用ができません。
 

かぶれやすいものってどんなものがありますか?

よくかぶれるものとして「うるし」、「ぎんなん」、「さくら草」などの植物があります。自然だから安全というかたをよくみかけますが、そうでないことはこの事実からも明らかです。
「イヤリング」ヤ「ネックレス」などの金属、「毛染め」や「パーマ液」、「ゴム手袋」などが有名です。
特に最近、天然ゴムに含まれる「ラテックス」という蛋白によりアレルギー性のショックを起こす例が報告されており注意が必要です。医療器具にはゴムがよく使用されているため、気づかずに治療を受けてショックを起こし、海外では死亡例も報告されています。ラテックスはマンゴー、バナナ、アボガドなどの果物と交差反応を示す事も知られており、ゴム手袋をはめると手がかゆくなる、これらの果物を食べると口の周りが腫れるといった症状のある人は要注意です。
また、特殊なかぶれとして「色素沈着型接触皮膚炎」という、かゆみも紅斑もなく色素沈着だけが生じることがあります。口紅による口唇の色素沈着、お線香や香料による顔面の色素沈着などです。化粧品はつけている時間が長いので弱い刺激でも積もり積もって障害をおこしてしまうのです。
 

今まで使っていたものなら大丈夫?
今まで使っていたものでも急にかぶれることもあります。今までに触れて何ともなかったものでも安全とは言い切れないのです。いったんかぶれてしまうと、原因物質に触るたびにかぶれてしまいます。化粧品や洗剤、毛染めなど、瀕回に使う物こそ気を付ける必要があります。かぶれを治すことはできても、かぶれないようにする薬はありません。

副作用
パッチテストの副作用としては、反応が強く出過ぎたときに、貼付部位に強い炎症を生じる、その場所が傷(潰瘍)になる、炎症後色素沈着を生じる、などが挙げられます。また、強い反応の予想されるものはパッチテストで感作されてしまうこともあります。自分勝手にやるのは危険です。これらができるだけ生じないように、貼付する物質(薬)の濃度や希釈する物質など、既に多くの情報があり工夫がなされていますが、反応の仕方は個人差が強いため、あらかじめ予測、予防することはできません。充分な経験を積んだ皮膚科専門医にやってもらいましょう。また、検査する物質を貼付するための絆創膏にかぶれる場合もあります。
パッチテストの有効性

パッチテストは前述のように安全性の高い検査方法です。また、陽性と判定された場合はその信頼性も高いとされています。しかしながら、薬剤アレルギーの検査では偽陰性(本当は薬剤アレルギーがあるが、この検査では陰性と判定される)となることもしばしばあります。また、判定が難しい場合、特に刺激性の高い物質(石鹸など)ではアレルギー反応でなく、単なる刺激反応でも陽性を示すことがあります。これらを知った上で、安全であること、陽性の場合の信頼性が高いこと(薬剤アレルギーの場合)などの理由でパッチテストは施行されています。
 

4月より、素養日は二人の医師で診察をしている日があります。パッチテストは人手のかかる検査ですので、確認のうえ、二人体制の日にお越し頂ければ幸いです。