同姓同名

再来の患者さんで、診察券も保険証も持っていらっしゃらない方がよくあります。お名前だけでは、カルテが出てこないことがよくあるのですが、一つは、同姓同名というのが、意外に多いのです。
例えば、松田知子さんですが、インターネットで検索してみると、お、なかなか頑張っております。龍谷大学の先生ですね。水泳も上手みたいです。 海外協力隊で活躍もしているみたい。え、水着の撮影会??ちょっと待ってください。松坂慶子が写真集を出したからっていくらなんでも、お見せする程のものではありません。五十ニ万石の結構偉いひとでもあるんですね。??実は夫の従姉妹ではありませんか。これ、全部別人。
松田という姓は全国で多い方から60番目くらい。 知子というのもそれ程珍しくはありません。ですが、生命判断で名前をつけることが多いので、当院でも最高4人の同姓同名(漢字も同じ)かたがいらっしゃいます。
そのうえ、漢字違いでよみが同じとなるとそれ以上。
さらに、戸籍の名前と通称が違うというかたがあります。例えば私が松田友子という通称を使っているとします。たまたま本名がその通称と同じというかたがいると、コンピュータなのでは松田友子さんという松田知子とは別人のカルテがでてきてしまうのです。笑い事ではなく、過去にそういうことがあったのです。診察していて話しが噛み合わないので、生年月日を確認して本当のカルテが出てきましたが、これをもし気付かず保険請求してしまったら、最悪の場合、架空請求ということになってしまうのです。思い起こすと、ヒヤッとしますね。もしかしたら、気付かずにそういうことがあるかもしれません。
話は変わりますが、故意に他人の保険証を使うことなんて、その気になれば朝飯前、簡単なことです。現に確認できた例もあります。おかしいと思っても、確証がなければどうしようもありません。間違えば、名誉毀損になります。反対に自分が自分であることの確認というのは考えてみれば非常に困難なことではありませんか?
住基ネットがいよいよ実施されることになりました。どういう訳か文化人やマスコミでは反対意見が多いようです。私の憧れの桜井よう子さんも大反対のようです。プライバシーが遵られないというのが最大の理由です。プライバシーは冒そうと思えばいくらでも侵害できます。そもそも、私達にはプライバシーなどあるのでしょうか? 年齢、資産、学歴、どこで調べたか、ダイレクトメールや押し売り電話は私達の情報をどこで知るのでしょうか?住基ネットがあってもなくても冒そうという気があればプライバシーなんて脆い物ではないでしょうか?自分が自分であることの確認が必要になったときに、私達日本人には手段がないのではありませんか?物事には必ずプラスマイナスがあります。住基ネットは合った方がよりフェアな社会になると思うのですが、如何でしょうか?